[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] 黒崎 コユキ : コソコソ

[森の中] 黒崎 コユキ : コソコソ

[森の中] 黒崎 コユキ : っぷは~!

[森の中] 黒崎 コユキ : 「いやあ、この島に10人は少なくないです?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「バトロワよりダッシュ島の方が率は取れますよね」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ふ~」

[森の中] 黒崎 コユキ : さてさて

[森の中] 黒崎 コユキ : 一応支給品を確認しますが…どれ

[森の中] 黒崎 コユキ : …?

[森の中] 黒崎 コユキ : CD…ディスク?

[森の中] 黒崎 コユキ : こりゃあハズレですかねぇ~…

[森の中] 黒崎 コユキ : 軽く手に取り、かざすと

[森の中] 黒崎 コユキ : …ズッ

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…!?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「腕の中に、ディスクがッ!?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…わ、わーお」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「正直海軍より肝が冷えますよコレ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「は~…まったく、変なものを渡されましたねぇ」

[森の中] 黒崎 コユキ : …ふと、振り返る

[森の中]   : ┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……

[森の中] クラフトワーク : ┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…は?」

[森の中] クラフトワーク : コユキの隣に、歯をむき出しにしたまるでエイリアンのような

[森の中] クラフトワーク : 地面から浮く、おかしな存在が立っている

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…これは」

[森の中] 黒崎 コユキ : …いや、"知っている"

[森の中] 黒崎 コユキ : DIOさんが確か言っていた

[森の中] 黒崎 コユキ : 傍に立つ者、時折目覚める事のある力…

[森の中] 黒崎 コユキ : 幽なる波紋…確か俗称

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…"スタンド"」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…ふむ」

[森の中] 黒崎 コユキ : ふむ

[森の中] 黒崎 コユキ : ふむふむふむ

[森の中] 黒崎 コユキ : ならばこれはイイ道具です

[森の中] 黒崎 コユキ : 「さてまぁ、何から始めましょうか」
首輪を軽く触りながら、勝負の手札を考え直す

[森の中] バンディット : 「ハァ...ハァ...。なんだってんだこの殺し合い...」
及び腰で歩いている...

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…おや」

[森の中] 黒崎 コユキ : 聞きなれた声、ええとても

[森の中] バンディット : 「ヒッ!?...なんだ...カエルか...」

[森の中] 黒崎 コユキ : この微妙に緊張感のない声は…

[森の中] 黒崎 コユキ : 「バンディットさ~ん!」
にっこり、目の前に飛び出す

[森の中] バンディット : 「クソッ!クソッ!なんでこんな...」
大きな独り言を呟きながら...

[森の中] バンディット : 「アッアイエエエエエエ!?!?!!?!?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「どうも~、お元気です~?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「お元気ですね~!」

[森の中] バンディット : 「いやだ!?殺さないでくれ〜〜!?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「殺しませんよ~」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「そんないきなり暴れても勿体ないじゃないですか、いろいろ条件わかってないんですし」

[森の中] バンディット : 「...ハッ!?く、黒崎か...」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「はい、黒崎コユキで~す」

[森の中] バンディット : 「あ、ああ...いきなり殺し合えって言われてもな...」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ま~、こんなことするくらいですしねぇ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「正直勝負に乗るには色々アレなんですよね」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「逆転の芽、と言われましても慣れは慣れ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「緑壱さんやグリントさんみたいなどうしようもない相手はどうせいと、という話です」

[森の中] バンディット : 「あ、そう!逆転の芽!武器だ!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ああ、貴方も支給されてますね」

[森の中] バンディット : 「あんな化け物どもと戦うための武器!どんなだった!?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ん~?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「もう"出して"ますよ?」

[森の中] クラフトワーク : ┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……

[森の中] クラフトワーク : 一応、警戒ついでに傍に立っている

[森の中] バンディット : 「あ...?何言って...!?」
ニンジャ感知力がコユキの背後に強烈な気配を認める!

[森の中] 黒崎 コユキ : 「見えます?」

[森の中] バンディット : 見えはしねェ!だが...コイツだけはヤバイ!ヤバすぎるって事だけは分かる!

[森の中] 黒崎 コユキ : ま、ちょっとした観察ですが

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…ま、どちらにせよ敵対させませんよ」

[森の中] バンディット : 「さっ...さっきまでそんなの持ってなかったじゃねぇか!んな超常的なもんまで支給されんのか!?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ええ、人によっては」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…これ、私に取っちゃ逆転でしょうが」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…強い人ももっと強いという、単純な御話になりません?」

[森の中] バンディット : 「......!あいつらも持ってるかもしれねェってことか!こいつは...」言葉を失う

[森の中] 黒崎 コユキ : 「そちらの内約は如何に?」

[森の中] バンディット : 「ああ、俺の支給品は...これか?」
懐に入っていた黒くて小さい弾を取り出す

[森の中] バンディット : 「クンクン...火薬の匂いだ...それも強烈な」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…おや」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ですねぇ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 火薬には慣れている

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…とはいえ…」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…」

[森の中] バンディット : 「...驚かないんだな。お前も常人じゃねぇってことか」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「爆発で死にそうな人の方が少なくないです~…?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 少なくともうちの学校では爆弾レベルじゃ傷が精々だ

[森の中] バンディット : 「クソッ!ちょっとした旅行のつもりだったのに超人ばっか集まりやがって!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ま~ま~」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「どうせ戦う方向で考えるだけ無駄ですよ」

[森の中] バンディット : 実際この状況はマズイ!勝ち残るって言っても相手が相手だ

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ほら、思い出しなさいな」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「相手は"ロワロワの実"」

[森の中] バンディット : 「言ってやがったな。バトルロワイヤルを司る力だったか」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ええ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「願いを叶えるという対価によって並大抵の妨害は無視し、緑壱さんですら術中に嵌める…こりゃあ大変だ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「"たった一つの弱点"を除いて!」

[森の中] バンディット : 「...弱点?こんな無敵な能力に弱点があるってのか!?」

[森の中] バンディット : 「見つけたのか!?教えろよ!!」
勢いよく問い詰める!

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…簡単ですよ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「悪魔の実共通の弱点、そう」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「──"海"」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「海水さえあれば、首輪の呪縛も解かれるでしょう」

[森の中] バンディット : 「───!」
あまりにも単純な答え
だがそれゆえに

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…しーっ」

[森の中] バンディット : 「それは..."ある"ぜ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ええ、簡単でしょう?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「すぐ"そこ"です」

[森の中] 黒崎 コユキ : 森の先、浜辺

[森の中] バンディット : 指された先を振り返る

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…ま、ゆっくり行きましょうや」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「お互い荒事苦手でしょ?」

[森の中] バンディット : 「まァ...そうだな...俺もアイツらに勝てる気はしねえ」

[森の中] バンディット : 「乗ったぜ、お前の策!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「まあぶっちゃけ全員海水用意してさっさと帰るのが得策ですよ」

[森の中] バンディット : (だが...もしアイツらが脱落した時が来たならば...)

[森の中] 黒崎 コユキ : 「戦うのなんかくだらない、それは倫理でも何でもなく…」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…一文にもなりやしない」
苦笑い

[森の中] バンディット : (俺が後ろからって流れも...あるかもな)
不敵に笑う

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ま、じゃあさっさと行きましょう」

[森の中] バンディット : 「...おっと、ああ。確かに戦うのなんてくだらねぇぜ!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「不意打ちなんか考えない方がいい、とはご忠告をば…」
ちらり振り向いて

[森の中] クラフトワーク : その視線の先は、男ではなく…

[森の中] クラフトワーク : すぐ傍に居る、その存在だが

[森の中] カリン :  

[森の中] カリン :  

[森の中] バンディット : 「...へっ!分かってるぜ。戦わないならそれが1番だしな...」

[森の中] カリン : おや。

[森の中] 黒崎 コユキ : 「おや」

[森の中] バンディット : 懐の爆弾を弄ぶ

[森の中] カリン : 「貴方たちは。」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…音」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「おやどうも」

[森の中] バンディット : 「...ア!?お前もいたのか」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「カリンさん、ご機嫌麗しう」

[森の中] 黒崎 コユキ : おーっと

[森の中] カリン : 「2人で何をしているんです?殺し合いは?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 危険人物、上位

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ん?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「しませんけど」
ぶっきらぼうに

[森の中] カリン : 「殺し合わないとダメですよ?これが秩序なんです」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「おやおや」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「では簡単に話しましょうか」

[森の中] バンディット : 「へへへ!そうだぜ、今ここから逃げ出す策を...エ?」

[森の中] カリン : 「血を。血を。血を。血を。血を。」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「この術中を解除できるとしても」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「その上で暴れる気で?」

[森の中] バンディット : 「アイエエエ!?ヤバイ!コイツヤバイ!」

[森の中] カリン : 「ふふっ……」
魔剣を抜く。

[森の中] 黒崎 コユキ : 「はい、回答は聞きました」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「では~」

[森の中] 黒崎 コユキ : 帽子を脱いで

[森の中] バンディット : 「戦うんだな!?お前ェ!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「シーユーアゲイン、マドモアゼル!」

[森の中] カリン : 「そんなのあるわけないじゃないですか。殺し合い、これが秩序なんですよ。」

[森の中] 黒崎 コユキ : 帽子から煙幕が展開される

[森の中] バンディット : 「うおっ!?けむっ、ゴホーッ!」

[森の中] クラフトワーク : 同時に、クラフトワークがバンディットを引っ張り

[森の中] カリン : 「なっ…目眩しを!」

[森の中] 黒崎 コユキ : コユキの自慢の逃げ足で、文字通り!

[森の中] 黒崎 コユキ : 脱兎の如く走り出す

[森の中] バンディット : 「うおおおお?!?」
引っ張られながら必死にスリケンを投擲!

[森の中] カリン : 「………っ!!待て!!!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「生憎ですが!」

[森の中] バンディット : 闇雲なスリケンの一つがカリンへ!

[森の中] 黒崎 コユキ : 「私、秩序とか興味は無く!」

[森の中] カリン : 「っ!」避けられない。

[森の中] 黒崎 コユキ : さらに目くらまし、帽子の中から爆弾一つ

[森の中] バンディット : 「うおおお!力強えええ!グワーッ!引っ張られる!」

[森の中] カリン : 左腕を前にやり、ガードする。

[森の中] 黒崎 コユキ : 命中ではなく分断を狙って、地面に!

[森の中] 黒崎 コユキ : 「我慢してくださいねぇ!男でしょう!」

[森の中] カリン : 「っ……よくもぉ!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 爆音響き

[森の中] バンディット : 「イテェもんはイテェ!男女差別グワーッ!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「助けてあげてんですから!」

[森の中] バンディット : 「あ、あああ、当たったか!?ザマアミログワーッ!」

[森の中] カリン : 「ちぃ…!!!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 木に登り、逃げ回りつつ

[森の中] 黒崎 コユキ : 「バンディットさ~ん!自分で逃げられますかぁ?」

[森の中] バンディット : 「あ、ああ!落ち着いてきたぜ!」
高速を振り解き隣の木に着地!

[森の中] 黒崎 コユキ : 「グッド!」

[森の中] カリン : 「あの女だけは…絶対に逃しません……!」

[森の中] クラフトワーク : クラフトワークを介護から開放し

[森の中] バンディット : 「俺の脚力見せてやらぁ!イヤーッ!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「あはは、ですがねぇ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「私の方が"有利"だ」

[森の中] 黒崎 コユキ : すぅ、と息を吸って

[森の中] 黒崎 コユキ : 「"クラフトワーク"!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「初めての仕事です!固定しろ!」

[森の中] バンディット : 「うおおおお!?なんだこりゃあ!?」

[森の中] カリン : 「……?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 帽子から、無数のカードを飛び出させて

[森の中] 黒崎 コユキ : それはひらひら"落ちない"

[森の中] クラフトワーク : クラフトワークによって、空中に微かな足場が出来上がる

[森の中] カリン : 「なっ………!」

[森の中] クラフトワーク : 飛び交うトランプが全て、足場に変わる

[森の中] バンディット : 「足場ってことか!?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「そゆこと~」

[森の中] 黒崎 コユキ : ぴょんと飛び出し

[森の中] 黒崎 コユキ : トランプを足場に、遥かに高くまで

[森の中] バンディット : 「こりゃあありがてぇ!」
空中のトランプを踏みながら空中前転!

[森の中] カリン : 「ふざけた真似を!」

[森の中] バンディット : 「土産だ取っときな!イヤーッ!」
回転の中からスリケンをカリンの足元に3枚!

[森の中] 黒崎 コユキ : 「しかしまぁ、これだけなら貴方にも便利でしょうね」
カリンを見下ろし

[森の中] 黒崎 コユキ : 「解除♡」

[森の中] カリン : 私は魔剣に力を込め斬撃を放つ。

[森の中] クラフトワーク : 最高高度以外のトランプがひらひら舞い落ちる

[森の中] 黒崎 コユキ : 「おやおや、飛ぶ斬撃ですが…いえ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「一芸特化ではないので」

[森の中] バンディット : 「おお!?便利じゃねえか!」

[森の中] クラフトワーク : クラフトワークの拳を!

[森の中] クラフトワーク : その斬撃に叩きつける

[森の中] カリン : 「なっ!?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「パワーに於いても優秀でして」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「では~♡」

[森の中] 黒崎 コユキ : 帽子から、再びトランプを飛ばして

[森の中] バンディット : 「つ...つええ...仲間でよかったぜ」
小声で呟く

[森の中] 黒崎 コユキ : ぴょんと空中の逃げ道を辿っていく

[森の中] バンディット : それに続いて宙を側転しながら飛び渡っていく

[森の中] カリン : 「…………………待てッ!!」

[森の中] バンディット : 「へへへっー!サヨナラだぜー!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「なんですう?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「生憎ですが、相手はしませんよぉ」

[森の中] カリン : 「コユキさん…貴方の首は…必ず私が落とします…!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ああ」

[森の中] カリン : 「これも…秩序の為に…!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「生憎様、落ちませんよ」

[森の中] バンディット : 「こ...こええ...」
失禁をこらえる!

[森の中] 黒崎 コユキ : 「私は首賭けてないので~♡」

[森の中] 黒崎 コユキ : そのまま、ぴょんと逃げ去って行った

[森の中] バンディット : 自身の身が狙われたわけでもないのにこの殺気!

[森の中] カリン : 「…………ああああッ!!!」

[森の中] バンディット : 「じ...じゃあな!アバヨー!」

[森の中] カリン : 逃げられた。

[森の中] カリン : 魔剣を仕舞う。あの女を。

[森の中] カリン : 黒崎コユキの首を落とすと私は決めた。秩序の為にも。

[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] 黒崎 コユキ : あああ!!!

[森の中] 黒崎 コユキ : 馬鹿!!!

[森の中] 黒崎 コユキ : 馬鹿野郎!!!

[森の中] 黒崎 コユキ : 何に絆されて…

[森の中] 黒崎 コユキ :

[森の中] 黒崎 コユキ : …くそ

[森の中] 黒崎 コユキ : 絆されてるのは私だ

[森の中] 黒崎 コユキ : …あんな奴の犠牲、適度に…

[森の中] 黒崎 コユキ :

[森の中] 黒崎 コユキ :

[森の中] 黒崎 コユキ : いや

[森の中] 黒崎 コユキ : そんなの

[森の中] 黒崎 コユキ : 違う…

[森の中] 黒崎 コユキ : ああくそ

[森の中] 黒崎 コユキ : 勝負師失格だ

[森の中] 黒崎 コユキ : 綺麗な盤面を、最高勝利を

[森の中] 黒崎 コユキ : それしか想像していない

[森の中] 黒崎 コユキ : …あんな馬鹿でも、適当に引っ張って

[森の中] 黒崎 コユキ : もしダメそうなら船でも見つける…

[森の中] 黒崎 コユキ : 生き残る、つもりだったのに

[森の中] 黒崎 コユキ :

[森の中] 黒崎 コユキ : バンディットさん

[森の中] 黒崎 コユキ : 私は万が一を信じている

[森の中] 黒崎 コユキ : 願いの権利は捨てた、もしもの願いは要らない

[森の中] 黒崎 コユキ : でも

[森の中] 黒崎 コユキ : もし生きてたら

[森の中] 黒崎 コユキ : 馬鹿みたいに顔を見せてくれたら

[森の中] 黒崎 コユキ : …返してやりますよ

[森の中] 黒崎 コユキ : …だから

[森の中] 黒崎 コユキ :

[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] 黒崎 コユキ : 「生きてくださいよ…」

[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] 黒崎 コユキ : …はぁ、はぁ

[森の中] 黒崎 コユキ : これだけ走れば

[森の中] 黒崎 コユキ : あの女はまぁ、問題無い筈だ

[森の中] 黒崎 コユキ : …クラフトワークは便利だ

[森の中] 黒崎 コユキ : 地面を固定すれば、痕跡は残らない

[森の中] 黒崎 コユキ : …恐らくこの森の中では、痕跡が無ければ追えないはずだ

[森の中]   : ──木々の中を

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…ッ」ゾワ

[森の中] うちはマダラ(3) : 走り抜ける男が、一人

[森の中] 黒崎 コユキ : それは

[森の中] うちはマダラ(3) : 男の眼は、紅色

[森の中] 黒崎 コユキ : "常識の範疇"での敵だけの話だが

[森の中] うちはマダラ(3) : 三つ巴の眼をした男は

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…うちは、マダラ!」

[森の中] クラフトワーク : クラフトワークを傍に

[森の中] うちはマダラ(3) : コユキを視界に収める

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「…ほう?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「何用です?」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「オレの名を知っているか、小娘」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ええ、そりゃあ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「うちはの一族ともなれば、噂の一つくらいは聞くでしょうよ」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「有名になったものだな」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「して、その影は何だ?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…おや」

[森の中] 黒崎 コユキ : 見えている、か

[森の中] 黒崎 コユキ : 「貴方は配られませんでしたか?」

[森の中] うちはマダラ(3) : 男の眼は、本来ならそれを見ることは叶わないだろう

[森の中] うちはマダラ(3) : しかし、写輪眼であるならば別だが

[森の中] 黒崎 コユキ : 「"支給品"ですよ」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「……ほう」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「尤も」

[森の中] うちはマダラ(3) : 腕を組み、その続きを待つように聞く

[森の中] 黒崎 コユキ : 「戦うつもりは無いのですよ、だって」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「"無い"でしょう?」
自分の首元を、つつとなぞる

[森の中] うちはマダラ(3) : 「……」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「それが見逃す理由になるのか?」

[森の中] うちはマダラ(3) : さぞ、当たり前のように

[森の中] うちはマダラ(3) : 常識外のセリフを吐いた

[森の中] 黒崎 コユキ : 「ん~、別に」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「貴方みたいなのが相手ですからねぇ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「なので、提示するなら」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「"外し方"或いは"誰のせいか"など」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「少なくとも、殺してしまえば知っている人はゼロになりますよ?」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「………そうか」

[森の中] うちはマダラ(3) : 少し考えるような態度をとった後

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…」

[森の中] 黒崎 コユキ : 警戒

[森の中] うちはマダラ(3) : 「か弱い女は…その脳までか弱いか」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…はん、アンタみたいに化け物じゃあないので」

[森の中] うちはマダラ(3) : ゴミを見るように、せリフを吐く

[森の中] うちはマダラ(3) : 「──フン」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「"リリース"」

[森の中] 黒崎 コユキ : 地面の固定を解除する!

[森の中] うちはマダラ(3) : 「む…?」

[森の中] クラフトワーク : 先程、固める事で立っていた地面を

[森の中] うちはマダラ(3) : 固定化を解除された地面を見て

[森の中] クラフトワーク : 無造作にすべて解除する事で

[森の中] クラフトワーク : 一気に瓦解させる

[森の中] 黒崎 コユキ : 「逃げ道に罠くらい!用意しますっての!」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「───面白い」

[森の中] 黒崎 コユキ : もう一度防止の中から煙幕を投げてはおき

[森の中] 黒崎 コユキ : 背を向けて、走り出す

[森の中] うちはマダラ(3) : 「少し興味が湧いたぞ、小娘」

[森の中] うちはマダラ(3) : 素早く印を結ぶ

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…ッ」

[森の中] うちはマダラ(3) : 寅の、印

[森の中] うちはマダラ(3) : 『火遁』

[森の中] 黒崎 コユキ : 「本場の忍者にはどうしたもんか!」

[森の中] うちはマダラ(3) : 『豪炎球の術』

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…ッ!!!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 振り返れば業火

[森の中] うちはマダラ(3) : 口から、木々を燃やし尽くすかのような火球が放たれる

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…ならぁ…」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…こうですね」

[森の中] 黒崎 コユキ : 足を止め、構えを

[森の中] 黒崎 コユキ : そして、投げキッスの要領で

[森の中] 黒崎 コユキ : ふう、と息を吐き

[森の中] 黒崎 コユキ : 「クラフトワーク」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「空気を固定して!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 術と言えど、炎に必要になるのは酸素だ

[森の中] 黒崎 コユキ : ならば、固定されて不変の酸素で置き換えれば

[森の中] 黒崎 コユキ : その一帯は不燃の空間に置き換わる!

[森の中] うちはマダラ(3) : 「──考えたな」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「っとぉ、まぁ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「貴方みたいな奴じゃあ小手調べでしょうがね!」

[森の中] うちはマダラ(3) : そう言い、即座に木を足場に猛追しようとし…

[森の中] 黒崎 コユキ : もう一度逃げ出しつつ

[森の中] うちはマダラ(3) : 「───ならば」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「おっと…!」

[森の中] うちはマダラ(3) : 『水遁』

[森の中] うちはマダラ(3) : 『水断破の術』

[森の中] うちはマダラ(3) : 次に口から放出されるは、ウォーターカッター

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…これじゃあ空気じゃすり抜ける、が」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…液体には液体ですよ!」

[森の中] うちはマダラ(3) : それは、辺り一面の木々を切り払い平地にするかのように放出されるが…

[森の中] 黒崎 コユキ : 海水を入れたボトルを

[森の中] クラフトワーク : クラフトワークが激しく殴り破裂させれば

[森の中] クラフトワーク : 散る液体はそのまま、隙間の無い盾に変わる

[森の中] うちはマダラ(3) : ウォーターカッターの勢いが盾に阻まれる

[森の中] 黒崎 コユキ : 「防ぐうえではこれ以上ないでしょう?」
とは言うが、手札を捨てつつの攻防だ

[森の中] うちはマダラ(3) : 「───チッ」

[森の中] うちはマダラ(3) : 軽く舌打ちをする

[森の中] 黒崎 コユキ : その楯を壁に、蹴り上げて

[森の中] うちはマダラ(3) : 偵察用の分身ではこの程度か

[森の中] 黒崎 コユキ : 更に逃げ足を加速させる

[森の中] 黒崎 コユキ : …どうする、どう次の手を打つ!?

[森の中] うちはマダラ(3) : 「…………」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「飽きた」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 戦場じゃあ聞きそうにもない三文字

[森の中] 黒崎 コユキ : だが振り返らない、相手はマダラだ

[森の中] うちはマダラ(3) : 「お前が更なる手段を用意し、オレが本体で戦う時」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「その時まで生き延びよ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…本体」

[森の中] 黒崎 コユキ : …まさか?

[森の中] うちはマダラ(3) : 「この程度が」

[森の中] うちはマダラ(3) : 「うちはマダラだと思っていたのか?」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「……いや」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「たった今、嫌程」

[森の中] うちはマダラ(3) : そう言い、少しずつ分身は

[森の中] 黒崎 コユキ : 「覚えましたよ……異端の一族の最たるフリークス」

[森の中] うちはマダラ(3) : ただの木片に代わり行き

[森の中] 黒崎 コユキ : 「……」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「成程…忍者ってのは」

[森の中] うちはマダラ(3) : カラン、と音を立て

[森の中] 黒崎 コユキ : 「……規格外が過ぎる」

[森の中]   : 足場としていた木から落ちていった

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…ッチ」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「目を付けられてばっかですね、私」

[森の中] 黒崎 コユキ : その木片を、恨めしく見てから

[森の中] 黒崎 コユキ : 踵を返して走り出す

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…味方がいる」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「信じていい味方、不足を埋める手札…」

[森の中] 黒崎 コユキ : 「優秀な…」

[森の中] 黒崎 コユキ :

[森の中] 黒崎 コユキ : いや

[森の中] 黒崎 コユキ : 仲間であれば、いいんだ

[森の中] 黒崎 コユキ : こんな時でもアイツなら

[森の中] 黒崎 コユキ : 馬鹿みたいに喜んで、次に向かうもの

[森の中] 黒崎 コユキ : 「…"仲間"が、要る!」

[森の中] 黒崎 コユキ : 忍者の神髄と、落ちぶれた忍者の言葉を刻みつつ

[森の中] 黒崎 コユキ : 兎は森の中に消えていった

[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] 黒崎 コユキ :  

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー : ”マイナスエネルギー”

[森の中] ホー : 人々の悲しみや怒りは時として大きなエネルギーを生み出す。

[森の中] ホー : 特に、この島には悲しみが満ちていて…

[森の中] ホー : ホーはそれに応えるように生まれた。

[森の中] ホー : ─────誰一人として、死人は出さない。悲しい想いもさせない。
涙も、一滴も溢させない。

[森の中] ホー : 誰かの決意が踏みにじられたとき…

[森の中] ホー : 悲しみの怨嗟はホーに力となって現れる。

[森の中] ホー : 今、この島のあちらこちらで悲しみが生まれている…

[森の中] ホー : だから、だからこそホーは強くなる。

[森の中] ホー : その叫びは光線に。

[森の中] ホー : その涙は硫酸に。

[森の中] ホー : ”それ”を受け止める願いに応えて。

[森の中] ホー : 「オオオオ!オオオオ!」

[森の中] ホー : 地響きがなる。

[森の中] ホー : 木々がなぎ倒される。

[森の中] ホー : 土煙が巻き起こる。

[森の中] ホー : 50m2万トンの巨体。

[森の中] ホー : それがホーの真の姿だ。

[森の中] ホー : ────隕石が眼前に迫る。

[森の中] ホー : 光線を発射し、一部分をえぐるも…

[森の中] ホー : その大きさ、荘厳さは残ったままだ。

[森の中] ホー : もう余裕がない、島中が踏みつぶされていくなら…

[森の中] ホー : この身体で受け止める。

[森の中] ホー : ”人々の悲しみ”が、それを受け止める。

[森の中] ホー : 「グオオオ!グオオオ!」

[森の中] ホー : 手はその熱によって皮膚がちぎれ、重さに身体がきしむ。

[森の中] ホー : 地面は足跡によってえぐられ、木々は見る影もないほどに踏みつぶされる。

[森の中] ホー : それでもそれでも、受け止め続ける。

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー : ”雷”が、眼前をよぎった。

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー : 星は、残骸と化した。

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー : ホーは慟哭する。

[森の中] ホー : 硫酸の涙を流し続ける。

[森の中] ホー : それは木々や地面を侵蝕していき、溶かしていくが…

[森の中] ホー : きっともう大丈夫だろう。

[森の中] ホー : その雷が放たれた方向を見ながら…

[森の中] ホー : 硫酸は想いを砕けない。

[森の中] ホー : 古戦場の跡を見ながら…

[森の中] ホー : 硫酸はダイヤモンドを砕けない。

[森の中] ホー : きっともう”悲しみ”は必要ないのだろう。

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー : ひと際大きい声で慟哭し、空を見上げ。

[森の中] ホー : 硫酸怪獣の姿は薄れていった。

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー : そこに悲しみがあるならば

[森の中] ホー : 『いつも隣にホーがいる』

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー :  

[森の中] : マイナスエネルギー、感知。

[森の中] : もしそこに悲しみがあるならば、

[森の中] : 隣にいてあげなければ

[森の中] :  

[森の中] ホー : 慟哭をあげて、再び地に舞い降りる。

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー : 接近まで、あとわずか。

[森の中] ホー : 都市に向かっていたその身体は。

[森の中] ホー : 少しづつ、少しづつ霧となって消え去っていく。

[森の中] ホー : しかし、例えここでホーが死んだとしても…

[森の中] ホー : 人間の潜在意識が怪獣になってしまう事がわかった以上、人類はさらに強力な、第二・第三のホーの出現に対処しなければならなくなるだろう。

[森の中] ホー : その時まで、どうか平穏を…

[森の中] ホー :  

[森の中] ホー :